『高次脳機能障害~我が子を忘れてしまう!~』(宮城朗子著、秋水社ORIGINAL)は、くも膜下出血受傷者の苦悩と決意を描いたコミック

『高次脳機能障害~我が子を忘れてしまう!~』(宮城朗子著、秋水社ORIGINAL)は、くも膜下出血受傷者の苦悩と決意を描いたコミック

『高次脳機能障害~我が子を忘れてしまう!~』(宮城朗子著、秋水社ORIGINAL)は、くも膜下出血受傷者の苦悩と決意を描いたコミックです。昨日まで健常だった人が、脳卒中や心筋梗塞などの病気が原因で、障碍者になることだってあり得るという話です。

くも膜下出血で高次脳機能障害に

『高次脳機能障害~我が子を忘れてしまう!~』は、宮城朗子さんが作画、秋水社ORIGINALから出版されているコミックです。

タイトル通り、くも膜下出血に倒れた主婦が、一命をとりとめたものの、脳を受傷して高次脳機能障害になってしまいます。

我が子の名前や性格まで記憶から消えてしまうのですが、脳にハンデを背負っても、母親として子供を育てようと決意する話です。

高次脳機能障害については、先日、『神様、ボクをもとの世界に戻してください』という、鈴木真弓さん著、河出書房新社の書籍をご紹介した時に触れさせていただきました。

『神様、ボクをもとの世界に戻してください』(鈴木真弓著、河出書房新社)は、高次脳機能障害になった息子を支えた母の奮闘記
『神様、ボクをもとの世界に戻してください』(鈴木真弓著、河出書房新社)は、高次脳機能障害になった息子を支えた母の奮闘記です。話したことも憶えていない、突然キレる……。典型的な高次脳機能障害に苦しみながらも活路を見出します。

何らかの病気や事故で、脳細胞がダメージを受けると、最悪で

死亡

します。

助かった場合でも、なんの後遺症もなく生還できれば、それに越したことはありませんが、残念ながら障碍を残してしまう場合があります。

その障害の程度によって、遷延性意識障害になる場合もあれば、高次脳機能障害になる場合もあります。

私の長男のように、遷延性意識障害から高次脳機能障害に「回復」することはまれにありますが、そこからさらに、以前と同じ健常の状態まで回復、つまり原状復帰というのは、いったん障碍者になると難しいと思います。

高次脳機能障害というのは、脳が病気や怪我でダメージを受け、一部が損傷してしまうことです。

一部ですから、寝たきりというわけではありません。

日常を自力で動けるものの、一部脳の働きに欠損を生じる状態です。

だからこそ、厄介ということがあります。

一見普通なのに、本人からすると視界がおかしかったり、物忘れをしたり、体を変なふうに動かしたりしてしまいます。

身体障害と違い、高次脳障害の後遺症は他者からわかりにくいため、「後遺症なし」とされるなど、医師を含めた周囲の高次脳機能障害に対する無理解があります。

ですから、ぜひ高次脳機能障害を知るために、本書をご高覧いただきたいと思います。

が、たぶん障碍者ご本人にしろ、障害児の親御さんにしろ、少なくない方はスルーされるでしょうね。

「コージノウキノウ? チッ、自分(の子供)はそれじゃないからカンケーないし」と。

高次脳機能障害も発達障害の一つです

障碍者ご本人にしろ、障碍者の親御さんにしろ、自分や自分のお子さんの障碍以外、興味ないんじゃないですか。

でもね、そういう了見なら、世間の定型(健常)の方々が、障碍者に理解を示さなかったとしても、文句言う資格ないんではないですか。

子供の高次脳機能障害は、脱抑制、注意障害、記憶障害、遂行機能障害など、ADHDや自閉の所見を伴う、すなわち発達障害として扱われます。

つまり、アスペルガーも、自閉症も、ADHDも、高次脳機能障害も、すべて発達障害でくくれ、もとより知的障害や身体障害等を含めた、障碍という大枠ではみんなひとつにくくれるものなのです。

それなのにですよ。

同じ発達障害でくくれるものを理解もしないくせに、そもそも障碍のない健常者に自分(の子ども)の障害だけは理解と支援をしてもらおうなんて、ちょっとムシが良すぎませんか。

本書は、マンガ図書館Zというサイトで、無料で閲覧できます。


と書くと、以前問題になった海賊版サイトの漫画村を連想してしまいますが、そうではなくて、閲覧すると表示される広告の収入が、著者に支払われる仕組みのマンガポータルサイトです。

その証拠に


という作者側のツイートもあります。

どうぞ、安心してご覧ください。

誰でもいつでも障碍者になり得る

このマンガのもうひとつのポイントは、誰でもいつ障碍者になるかもしれない、ということを教えてくれる設定になっていることです。

つまり、いま障碍者でない人も、中途障害者になり得る、生涯のうちに障害者手帳をいただくことがあり得るのだ、ということです。

障碍者と言うと、健常者にとっては別の世界の人で、自分とは違う、という意識はないでしょうか。

だから、障害者福祉予算については、「税金の無駄」などという発想が出てくるのです。

自分がその予算の世話にはならないと思いこんでいるから。

そう思うあなたは、いったいどんな人生の見通しをおもちですか。

いつまでも20代の若さを保ち、誰にも迷惑をかけず、誰の世話にもならずピンピンコロリできると思いこんでいませんか。

んなことあるわけないでしょう

人生は、たとえ健常者でも、いつ誰が障害者になるかわからないリスクに満ちています。

ちょっと枚挙してみましょうか。

マンガのようなくも膜下出血を含めた、脳梗塞、脳出血などの、いわゆる「脳卒中」で、手足が不自由になることがあります。

交通事故の頭部外傷もあります。

水泳で足がつって溺れたとき、助かっても脳に酸素が行かなければ脳障害があり得ます。

高熱を出して脳炎になっても、脳に後遺症は残ることがあります。

直腸がんでストーマをつけたり、心臓病でペースメーカーを入れたりしても、障害者手帳が出ます。

突発性難聴で聞こえなくなっても、障碍者です。

昨今話題のコロナでも、障害者手帳の対象になる後遺症が取り沙汰されいます。

これだけあっても、あなたは絶対に自分だけは大丈夫と思いますか。

そうした病気や怪我で、不幸にも亡くなったら、悲しいけれどそこで終われます。

でも、もし九死に一生を得、それと引き換えに高次脳機能障害になったらどうしますか。

脳障害の人生はそこから始まるのです。

自分も大変。家族も大変です。

本書は、そんなことを考えさせてくれます。

以上、『高次脳機能障害~我が子を忘れてしまう!~』(宮城朗子著、秋水社ORIGINAL)は、くも膜下出血受傷者の苦悩と決意を描いたコミック、でした。

高次脳機能障害~我が子を忘れてしまう!~ (素敵なロマンス) - 宮城朗子
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