群れたがらないことを、仲良くなるための臨機応変な対人関係には興味がないか苦手な発達障害と見なす精神科医に批判続出です。横並びにならないことについて「変わってる」とのレッテルは「いじめはいじめられる方にも原因がある」というロジックにつながります。
群れたがらない人は自閉スペクトラム症?
精神科医・本田秀夫氏(で信州大付属病院子どものこころ診療部長)のインタビューが話題になっています。というより批判が続出しています。付き合いを自分から積極的に断る例を上げ、自閉スペクトラム症を説明したために「群れたがる方が正しいのか」と批判されているのです。
「中学1年生の女の子のエピソード」で、自閉スペクトラム症について解説するインタビューに批判コメントが付いています。
「集団の中で浮いてしまう」とする発達障害論が大炎上 – サマリーニュース https://t.co/yRCSICSWAg
— まめだぬき (@mame365march) February 11, 2022
問題となった医師のコラムを引用します。
中学生くらいの女の子は、グループで一緒に行動するのが好きですよね。駅で集合するときも、 300メートルも離れていないようなコンビニにわざわざ集まって、そこから全体の集合場所まで 仲良く歩いていく。そういうのが楽しいのです。
(中略)
そんな女の子同士の付き合いを自分から積極的に断ると、ものすごく変わり者と みなされてしまいます。でも、彼女の場合、それが面倒くさいと感じるのです。 そもそも駅で集合するのに、なぜわざわざコンビニに集まって短い距離を一緒に行かないと いけないのか。非合理的だ、と考えたというわけです。
その後、彼女は、他の女子部員たちから「あの子、変わってる」と思われ、仲間はずれにされて 部活にいづらくなってしまいました。
発達障害の一つ、自閉スペクトラム症の人は、自分のやり方、関心、ペースを最優先させたがる 傾向があります。一方で、仲良くなるための臨機応変な対人関係には興味がないか、苦手です。 そのため、集団の中で浮いてしまい、場合によっては学校に行けなくなってしまう、ということもあるのです。
この医師のコラムでは、次のような誤解を生じかねません。
- 発達障害者は集団生活におくことはできない
- 群れることが人として正しいあり方である
- 排外主義を肯定している
発達障害者は、たとえば、集中力があまりにもなかったり、人の気持ちを考えて行動することが苦手だったり、こだわりが異常に強かったりするとはいわれています。
しかし、集団生活が苦手かどうかは、その障害の重さによっても異なるので、一律に発達障害=社会生活を営めない、と解さざるを得ない見解は、医師としては軽率のそしりを免れないでしょう。
群れることに至っては、むしろ群れたがることに障害や精神疾患、社会病理としての問題点がひそんでいるのかもしれないのに、それを糊塗してしまう暴論です。
むしろ、1人では何もできない、約束を守れない、そしてインタビューで言うところの「合理的」な判断ができないことこそが、発達障害の悩ましいところではないでしょうか。
非合理的なことを好まないことについて、「変わってる」とレッテルを貼ることを順当に述べていることは、「いじめは、いじめられる方にも原因がある」というロジックにつながります。
ツレション行かないだけで変人扱いになるのか?
案の定、ネットでは批判が集中しました。
>>何?この至極「普通」な行動を発育障害って?w
>>1みたい些細なことでの仲間はずれ正当化?
無理やり合わせなきゃならないの?
>>わざわざコンビニに集まる集団の方が発達障害じゃね?
>>行動の指針の根底に善悪や倫理観ではなく/周りがやってるかどうかが置かれてしまうのは/日本社会の治すべきところだなあ…
>>1の例を発達障害だと言うのはいくらなんでも無理がある
というかそれこそ人付き合いが好きじゃない人間を発達障害扱いする差別だろ
>>ツレション行かないだけで変人扱いとか何なの
そのエピソードだけじゃ発達障害でも何でもないし
発達障害が10%もいるわけないのに、学校の先生は手に負えないの全部発達障害にしてんじゃないの
ネットは、障害者に対して誹謗中傷が耐えないのですが、今回ばかりは正論のような気がします。
医師にどのような意図や自覚があろうが、これでは発達障害に対する誤解だけでなく、群れる価値観を正解としてしまう憾みを否定できません。
少なくとも、この医師は例の出し方を誤りましたね。
群れたがらない人。それだけで発達障害というわけではありませんよ。
みなさんは、いかがお考えですか。
以上、群れたがらないことを、仲良くなるための臨機応変な対人関係には興味がないか苦手な発達障害と見なす精神科医に批判続出です、でした。
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