高次脳機能障害のリハビリとしてタブレットアプリ(スマホアプリ)を使った文字なぞりはクリップを使って握り方も矯正

高次脳機能障害のリハビリとしてタブレットアプリ(スマホアプリ)を使った文字なぞりはクリップを使って握り方も矯正

高次脳機能障害のリハビリとして、タブレットアプリ(スマホアプリ)を使った文字なぞりを利用しました。我が長男は、文字をなぞる以前にペンをうまく持てなかったので、作業療法士の先生のアドバイスでその矯正にクリップを使うことにしました。

文字なぞりとはなんだ

文字なぞりという教育ソフトは、タブレット・スマホなどの携帯端末用ソフトとしてはかなりポピュラーな存在となりました。

携帯端末は、タッチペンを使って文字入力ができますが、その機能を利用して、画面に文字を表示し、そこをなぞるアプリです。

NHKエデュケーショナルが無料で公開している『楽しく学べるアプリゼミ』を、たんなる文字・数字学習ではなく、タッチペンを使って「書く練習」に応用しました。

楽しく学べるアプリゼミ

このブログではこれまで、遷延性意識障害や高次脳機能障害から、どのようなトレーニングを行ったかをご披露してきましたが、そこで用いたツールの多くは、必ずしも障害者リハビリ用途ではなく、本来は生徒・児童の教育用に開発されたものを応用的に使ったものでした、

今回も、やはり幼児・児童・生徒に使えるスマホアプリを、リハビリ用に使った例をご紹介します。

使っている端末は、タブレット。『ASUS MeMO Pad 8 AST21 au』です。

ASUS MeMO Pad 8 AST21 au

我が家が使ったソフトは、NHKエデュケーショナルが開発した『楽しく学べるアプリゼミ』です。

「学校の授業が楽しくなる通信教育アプリ」と、公式サイトではうたっています。

たとえば、ひらがなは、画面をなぞることで、書き順も含めて学びます。

書き順

なぞり終わると、きちんと書けたかどうかの点数が出ます。

大人でも、雑になぞると低い点数しか出ません。

雑になぞると低い点数しか出ません

これは、就学したてのお子さんが、字を勉強するためのソフトです。

が、高次脳機能障害、もしくは脳卒中で指の動きが不自由になった方の場合、たんに字や数字を覚えるというのではなく、書き方のおけいこになります。

というのは、脳障害で脳と指先の神経回路が切断されている場合、えんぴつをきちんと握ることや、「ゆるやかにまげる」「はねる」「直角に曲がる」といった、まっすぐに線を引く以外の作業が困難なことが多いのです。

こうした「なぞりソフト」は、その訓練ができます。

子どものお勉強ソフトと、侮れません。

しかし、そのような用途なら、指先でなぞるのではなく、ペンを使って練習したいところ。

『ASUS MeMO Pad 8 AST21 au』はタッチペンの付いているタイプではなかったので、100円ショップでタッチペンを買いました。

100円ショップでタッチペン

これで、鉛筆を握って数字や文字を書くおけいこになりました。

……が、そこで改めて問題点が発覚しました。

鉛筆の握りはクリップで克服

我が長男は、箸の持ち方もそうなのですが、人差し指のコントロールがうまくできず、鉛筆を巻き込んでしまうのです。

実際に握ってみるとわかりますが、人差し指が巻き込んでしまうと、鉛筆をキチンと持って力を入れることができません。

鉛筆(ペン)は、親指、人差し指、中指によって支えることで、力を入れて書くことが出来るからです。

では、「こうしましょう」とやってみせたらどうか?

何度か書いてますが、高次脳機能障害者は、複写(見よう見まね)が苦手なことが多いのです。

見本を見せても、それを会得するのは困難です。

我が長男の弱点もそこです。

元植物人間。壮絶なリハビリで鉛筆を持てるところまで来たが、もはやここが限界か……

そう思い悩んでいた時、毎週通っているリハビリ病院のOT(作業療法士)が、あるアイデアを授けてくれました。

「鉛筆にクリップをつけて人差し指を固定させてはどうでしょうか」

なるほど!

これで、人差し指を巻き込まずに鉛筆を握る矯正が出来るようになりました。

結論を出す前にやってみよう

身体障害があるお子さんなら、知的障害を伴っていても、身体障害の特別支援学校で、学習とともに、OTやPTも諦めずにチャレンジしていただきたいと述べた理由が、ここにあります。

病気や怪我は、医師や看護師の領域と思われ、保育士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、さらにソーシャルワーカーといった人々の評価がまだ十分ではないように思うのですが、とくに中途障害は、治療の後が大事なのです。

障碍は治らない、と勝手に結論を出したら何も生み出しません。

デイサービス、リハビリテーションクリニック、在宅看護など、今はそうした専門家のサービスを受ける機会はいくらでもありますから、前例がなければ自分で前例を作る、という気持ちで、ぜひ前向きにチャレンジしましょう!

以上、高次脳機能障害のリハビリとしてタブレットアプリ(スマホアプリ)を使った文字なぞりはクリップを使って握り方も矯正、でした。

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